エルパラ式 転職力向上方法

なかなか組織に頼ることが難しくなりました。新聞を開けば「リストラ」の文字が踊るこの時代、攻撃は最大の防御としませんか? 個人としてのビジネススキルを上げて自分の市場価値を高めておくことが、逆に今の会社からも最も必要とされる人材になる、ということではないでしょうか。
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転職力とは?
同じ仕事をしていても、転職して即戦力になるひと、転職先で活躍出来る人と、転職出来ない人との差というのは存在します。当然、前者は引く手あまたですよね。そういう人のことを「転職力の高い人」と私は呼んでいます。
転職の高い人=「実力のある」人
当然ですが、転職力の高い人というのは、今の会社でも、次の会社でも活躍できる実力の持ち主、ということになります。私は、昔から「仕事ができる人になりたいなあ」とは漠然と考えていました。大学生のときも、「何とか実力をつけよう」などと思っていました。しかし、「仕事ができる」「実力がある」とはどういうことなのか、今ひとつわかりませんでした・・・。
しばらく悩んでいたのですが、最近は一つの結論(仮説ですが)にたどり着いています。それは、「実力がある」とは「価値を向上できる」ということではないかと。ある意味当たり前と言えば当たり前なんですが・・・。
ビジネススキル=価値を上げる力
私の本職はマーケティングコンサルタントです。マーケティングの本質は、「自社の、もしくは自社製品・サービスの、お客様にとっての価値の向上」です。例えば、昔牛丼の吉野家の宣伝文句(英語でかっこよく言うとValue
Proposotion ですね。Value とは価値のことです。直訳すると「価値提案ですね」)は、「早い、安い、うまい」でした。それぞれ、お客様にとっての価値は結構わかりやすいですよね。この宣伝文句(Value
Proposition)が良いかどうかは、色々考え方があると思いますし、私も大賛成という訳ではないんですが(一言で言ってしまうと、このたぐいのValue
Propositionは価格競争にならざるを得なく、実際にそうなっています)、このようなことを個人のレベルでも行うと良いと思います。「自分の価値は何だろう?」という問いかけは極めて有効な問いかけなのです。特に、入社されてから1,2年たって、仕事にも慣れてきてマンネリ化した頃には、この問いを行うことは非常に重要です。
価値を上げるには?
価値を上げる方法というのは、まさに私の専門分野であるマーケティングが得意とすることです。ですから、マーケティングの手法をそのまま自分のビジネス力に応用すればいいわけです。そのポイントを、いくつかここで公開したいと思います。
1) 誰にとっての価値か?
価値って誰が決めるんでしょうね? 自分ですか? それもありますよね。でも、ビジネスで言えば、決めるのはお客様です。会社内で言えば、自分の上司が自分の価値を決めて、その評価を行うわけです。ですので、あなたのお仕事が営業であれば、あなたのお客様が価値を決めるわけであって、残念ながらあなたが決めるわけではありません。もちろん、あなたが「私が売っている商品は高い価値がある」と信じることは大変重要なことです。しかし、あなたが価値があると信じるものが、お客様にとっても価値があるものでなければ意味が無いのです。
マーケティングでよくある例は、「過剰品質」ですね。これは、工場の方とか、ITプログラマ、デザイナーなど専門職の方で、しかも優秀でまじめな方に多いのですが、こだわりすぎてしまうんですね。もちろんこだわりがあることはいいことです。が、無意味に過剰なこだわりがあることが多いです。例えば、品質基準が3mm以内の誤差、というふうにお客様から言われていたとします。その範囲であれば、お客様の生産プロセスが対応できるから、それ以上の精密さは必要ないわけです。それでも工場の方は品質基準と2mm以内にすることに血道をあげることがあります。もちろんそれ自体は素晴らしいことです。しかし、お客様がそれに価値を認めなければ、その努力も認められないわけですね。お客様は、3mm以内であればどうでもよいかもしれません。それであれば、工場の方はその分コストダウンの努力をして、価格競争力をつけたほうがいいかもしれません。
2) 認識価値 (Percieived
Value) vs 真の価値 (True Value)
私も昔よく嘆いていました。女性にもてなかったんですよ(っていうか今でももてないんですが・・・)。ですから、「ああ、俺の本当の価値が何でわかってもらえないんだろう???」と、振られるたびに悩んでいたものです。でもでも、「本当の価値」って何なんでしょうね? そんなもの存在するのでしょうか? そのときの自分を客観的に眺めてみると、要するに「女性に自分の魅力をアピールできずに独りよがりになっているもてないヤツ」なわけですね。そうなんですよ、いかに価値があろうとも、それが異性に伝わらなければ、そんな価値は存在しないわけです。なぜかというと、その場合の私の「価値」というのは、私を振った女性の頭の中にしかないわけですね。いかに私が「俺はいい男だぜいい」と思っていても、向こうに自分の良さが伝わっていなければ、そんな「自分の良さ」というものは存在しないわけです。ですから、実は、この世には認識された価値(Perceived
Value)しか無いわけで、「真の価値」なんてものは無いわけです。
もし自分が頑張っているのなら、また、自分にしか出来ないことがあるのなら、それは他人に伝わったときに初めて意味が有るわけです。こんなことを言うと、自分が出来ないことがいかにも出来るかのように伝えれば自分の価値は上がるのか、という疑問が出てきますが、超短期的には「Yes」ですね。でもそんなメッキはすぐに剥げますし、一度メッキが剥げると次から信用してもらえなくなるのでやめたほうがいいと思います。
3) 他人ができないことをする
マーケティングの要諦は差別化・独自化です。自分にしかできないことをやるわけです。「代わりが無い商品」というのは強いです。だから規制によって保護された弁護士さんなんかは儲かるわけですよね。同じことをするわけです。他人ができなければそれは大きな価値になります。何かの仕事をされていて、それが明日他の誰かにもできることであれば、極端な話、あなたは必要ないわけですね。外資系なんかだと、もっと給料の安い他の誰かを雇おうという極端なことになったりもします。でも自分にしかできなければ、「やれるもんならやってみろ」と言えるわけですね(そう言うかどうかは別として)。
転職力が高い人は、このようなことを本能的に判断してやっています。逆に言えば、転職力を高めようと思えば、このようなことに気をつけていけば良いわけです。
転職力が高い人はポータブルスキルを持っている
転職力が高い人は、職場が変わり、会社が代わり、業種が変わっても持っていける(ポータブル)スキルを持っているわけです。例えば、財務分析力、マーケティング力なんかはどの会社でも必要ですのでポータブルです。それに対して、ポータブルで無いスキルというのは、社内の人脈、業界知識、商品知識などです。すなわち、自分の会社のことしか知らない、自分の業界のことしか知らない、という方はポータブルスキルが少ない、と言えると思います。社内人脈というのは、他社に転職したときに役立つでしょうか? もちろん役立つ場合もありますが、短期的でしょう。しかし、例えば、「説得力」というスキルであれば、どの会社でも通用しますよね。
ポータブルスキルを持っていないとどういうデメリットがあるかと言うと、
● 自分の会社が倒産したときに、他の会社で通用しない
● 転職できない
● 自分が扱っている商品が売れなくなったときにつぶしがきかない
などなど、大企業が簡単につぶれる時代に、かなり恐いことになってしまうのです。ポータブルスキルは、この厳しい世界を生き抜いていくのに絶対必要なものなのです。
ではどうすればいいか? それは、今やっている業務を「普遍化」すればいいのです。今の仕事が営業だったら、商品知識だけに頼って営業するのではなく(言うまでもなく、商品知識は極めて重要ですが)、自分の説得力、お客様の隠れたニーズを聞く力、などを磨くのです。商品知識はポータブルではありませんが、聞く力、というのはどこにでも持っていけますね。
ちなみに、英語、ディベート、プレゼンテーション、マーケティングというエルパラのコアの部分は、ポータブルスキルです。どんな会社でも、どんな職種でも、何らかの形で使い道があると思います。
転職力が高い人は、ハードスキルとソフトスキルの両方を持っている
ハードウェアとソフトウェアが違うように、スキルにもハードスキルとソフトスキルがあります。ハードスキルとは、測定できるスキル、証明できるスキルです。例えば、TOEICXX点、簿記3級、みたいのがこれにあたります。点数が高ければ高いほどいいですし、級が上ならば上であるほどいいです。ソフトスキルとは、交渉力、洞察力、企画力、創造力など、測れないし他人からも見えないスキルです。MBAの授業で直接に習うことはハードスキルですね。ハードスキルは知識、ソフトスキルは知恵と言い換えてもいいと思います。転職力が高い人は両方持っています。自分の持っているスキルの、何がハードスキルにあたって、何がソフトスキルで、そして持ってないスキルは何か、というのを分析し、棚卸しておくとともに、強みはのばして弱みは訓練すれば良いと思います。
ハードスキルは、転職力を高めるには必須ですね。人を評価するのにあたって、「この人はこんな資格を持っている」というのは極めてわかりやすい言い訳になりますから。前に、ある建設会社に勤めている友人と話しをしたことがあります。そのとき言っていた言葉が「俺さあ、忙しくて建築士資格をとっている暇が無いんだよ。暇なやつほどそういう資格を取れるんだよな。仕事をさせてもらえれば、絶対そんなやつには負けないんだけど」ということでした。その言葉を聞いて、私はちょっと不安になりました。資格を持っていないけど仕事が出来る人、と資格があるが仕事ができない人、というのを比べた場合に、「資格があるが仕事が出来ない人」という人を取るケースが結構多いんです。わかりやすい理由としては、規制業種(税理士など)の場合はその資格が必要、というのもありますが、「仕事が出来る、出来ない」の判断は相当主観的になってしまい、評価が難しいんです。それならば、資格を持っている人を取ろう、というのは非常にわかりやすい議論になるからです。その彼は、例え仕事を犠牲にしても建築士を取るべきだと思いますし、それが自衛策でもあります。会社が、「君は資格を持ってないからねえ」と言い出したときに、「だってこんなに仕事したからですよ」と言ってもそれは有効な反論にはならないんですよね。そのときに、会社のことを「何て冷たい冷酷な仕打ちなんだ!」と憤るかもしれませんし、その怒りは正当でもあるのですが、それでもそのときになっては遅いんです・・・。
しかし、それだけでもダメです。資格を持っている人はたくさんいますよね。それに加えて、ソフトスキルが必要です。その資格を使って何をするのか、ということですよね。その資格を、人を動かしたり、仕組みを作ったりして実際にビジネスに貢献させていく能力がソフトスキルです。典型的なソフトスキルは人間力ですね。コミュニケーションスキルなどの人を動かす力ですね。
ハードスキルとソフトスキル、その両方を備えていると、この厳しい時代にも勝ち抜いていけるビジネスパーソンになれると思います。
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