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英語の勉強法の誤解
 
誤解1:日本人は文法が出来るのに英語が話せない

これは大嘘でしょうね・・・。日本人は文法が出来るなんて単なる勘違いです。逆です。日本人は、文法が出来ないから、英語が話せないんです。確かに、中学・高校で文法はやりました。しかし、文法は出来ないでしょうねえ・・・。英語が出来ないという人で、分詞構文とか、仮定法を完全に理解している人はまずいないでしょう。もし本当に日本人が文法が出来るのであれば、TOEICとかTOEFLの平均点がこんなに低いはずはありません。TOEICの文法なんて基礎的なものですから、本当に日本人が文法が出来るなら、その部分だけでも出来るはずですから。TOEICのスコアを見ると、ReadingとListeningのスコアがそんなにかけ離れている人というのはあまりいません。文法も出来ないし、聞き取りも出来ないというのが事実です。

ではなぜそう言われるのでしょうか? 確かに、 「I gave him a pencil. を 受動態にしてください」という問題に対して、10秒くらいかければ正確に解けるでしょうね。その意味では、試験上では出来るのです。しかし、それでは使い物になりません。そのようなことが、0.1秒で出来るときに初めて使えるわけです。和文英訳:「私はアメリカに行ったことがある」 回答 I have been to the U.S. も、時間をかければできるでしょう。しかし、これが0.1秒で出来ないと使い物にならないのです。その状態で、初めて「文法が出来る」と言うんです。逆に言えば、全ての和文英訳が0.1秒で出来れば、英会話が出来ないはずはないのです。

確かに、これは試験制度の問題もあるでしょうね。中学校の中間テストが、今のテスト量の10倍くらいあって、30分で300問の和文英訳をさせるだとか、そういうものであれば、文法中心の授業であっても、英語を話す力は相当上がっていたはずです。文法偏重の授業がよくやり玉に上がりますが、文法が悪いのではなくて、やり方が悪いのです。

逆に、仕事やビジネスで英語を使うのであれば、文法が出来ないとダメです。なぜか? このようなemailが外国人から来たとします。

 「おまえの商品、もっと安いだはずよ。だって、機能のこれ、ついてはない。よその商品、ついてはいるだ。おまえ高い。安くした」

このようなメールが来たとき、相手を信用できますか? 相手は日本語ネイティブでは無いですから、完全な文が作れないのは承知でしょう。しかし、それでもこのような文を送ってこられたら、カチンと来るでしょう。この部分の反射的な感情は、理性でコントロールできるものではありません。正確な文の英語でメールすれば、それだけ相手が受ける印象が違うのです。文法は決して軽視してはいけません。

●email時代だからこそ文法が重要

現在は、海外とのやりとりもメールで出来るようになり、非常に便利な時代になりました。ただ、メールの怖いところは、証拠となってそのまま残ることです。また、転送、転送で相手先の社内中を回る可能性があります。

そのような状況で、文法がめちゃくちゃなメールを送ってしまったらどうでしょうか? もちろん、私たちは英語ネイティブでは無いので、多少の誤りには寛容でしょう。しかし、余りにひどい英語だと、「なんだこいつは」と思われる可能性があります。実際に会って話しをしていれば、身振り、表情などでニュアンスは通じますが、メールでは文字しか見ません。文字が全てなのです。ですから、そのような状況では、文の正確さ・美しさを支える文法的要素は非常に重要なのです。


誤解2:英語は聞いているだけでうまくなる

たくさんの英語を聞くことは確かに大事です。私も大学生のときは、1日5時間くらいは聞いていました。ただ、文法の理解などが無く「聞くだけでうまくなる」みたいな、英語教材の宣伝には異を唱えたいです。「この教材を聞くだけでうまくなる!」 その論拠は、「英語のネイティブはこうして英語を学んだ! ネイティブは文法など意識せずに話せる! それはたくさんの英語を聞いたからだ!」くらいでしょう。一つ一つ反論しましょう。

●ネイティブはこうやって英語を学んだ のウソ

大嘘ですね。我々が日本語をどうやって学びましたか? お子さんをお持ちの方ならわかると思いますが、忍耐強く、「これは、ぱぱ」「ぱあぱ」「わあ、よくわかったねええ」「これはぶーぶー」 と、辛抱強く教えていくのです。決して、「聞き流すだけ」ではありません。もしそうなら、赤ちゃんに、ひたすらラジオ番組だけ聞かせておけば、2年間で日本語が話せるようになるはずです。そんなわけはありません。

●ネイティブは文法なんか勉強しない のウソ

これも大嘘。「国語の時間」って日本でも小学校からありますよね。文学作品を読んだり、助詞とか活用の勉強をしますね。漢字の書き取りもしますね。「今日わ、晴れです」は、間違いだということも学びますね。同じです。米国でも国語の時間はあります。英語の文法を学ぶのです。「ネイティブは文法なんか勉強しない」というのは、ものを余りに知らないか、または悪質な宣伝文句です。ウソだと思ったら、英会話教室の先生にでも聞いてみて下さい。「Grammarの勉強って学校でしますか?」って。

●聞くだけでうまくなる のウソ

繰り返しますが、聞くことは有効な学習法です。しかし、それは、文法や、読む練習などとあいまって、の話です。聞くだけで英語がうまくなるのであれば、中国語のラジオをひたすら聞いていれば、中国語が話せるようになるでしょう。そんなはずはありません。文法、単語などの基本的な土台があって、レベルにあった英語をたくさんリスニングすることは効果的ですが、闇雲に聞いているだけでは、百歩譲って話せるようになったとしても、効率が悪すぎます。これも、悪質な宣伝文句です。

しかし、この宣伝文句は強力なんです。なぜなら、「ラクだよ、カンタンだよ」と訴えると、買う気になるからです。私のように、「文法が大事だ」「基本だ大事だ」とまっとうなことを当たり前に言うと、英語教材は売れません。ですから、買う側にも問題があるとも言えます。


誤解3:ネイティブと話さないとうまくならない

「ネイティブと話せばうまくなる」というのは本当でしょう。しかし、「ネイティブと話さないとうまくならない」というのはウソですね*。というのは、非常に基本的ですが見落とされがちなポイントとして、「ネイティブには、日本人がなぜ話せないのかはわからない」のです。

(ネイティブと話せばうまくなる、というのと、ネイティブと話さないとうまくならない、というのは論理的に同値ではありません。前者は、ネイティブと話せばうまくなるが、他にもうまくなる方法はある、ということですが、後者は、ネイティブと話す以外にうまくなる方法はあってはいけない、ということですから。)

ネイティブと話す価値が出てくるのは、TOEICで言えば、600点〜700点くらいでしょうか(幼児の場合は別。幼児なら最初からネイティブと接することに意味があります)。ある程度文法・単語の下地が出きて、とりあえずコミュニケーションがとれるようなレベルですね。それまでは、むしろ日本人に習った方がいいとすら思います。まずは、日本人がつまずくどころをよく知っている、経験豊富な人から学びましょう。基本的な文法・単語をきっちりとやり、並行してリスニング・リーディングをやっていけば、TOEIC600−700までは普通に行きます。800くらいまではまあ行くはずです。そのレベルに達してから、ネイティブとコミュニケーションを取る機会を増やすと、飲み込みが早いです。また、ネイティブの迷惑にもそんなにはなりません。

ちなみに、「ネイティブと話さないとうまくならない」という幻想をふりまいて、トクをしているのは誰かを考えましょう。それはもちろん「ネイティブ100%採用」の英会話教室です。彼らが振りまいた幻想のおかげで、日本人を的確に指導できる日本人講師の価値が下がっているのは残念なことです。

留学するときも、ですからTOEICが500点以下の人は、ムダとは言いませんが、日本で出来ることをやってから行った方がいいでしょう。500点くらいですと、周りとのコミュニケーションがとれません。ある程度出来るようになってからであれば、ネイティブも「そこはそうじゃなくてこう言うんだよ」とか言ってくれるでしょうし、自分でも、「ああ、なるほど、こう言えばいいんだ」という気づきが増えてきます。

さらに言うと、TOEIC600点程度で留学してはもったいないです。日本で出来ることはたくさんあります。せめて、800点近くになってから留学しましょう。その方が、同じ時間をお金をかけた場合に、もっともっと上達しますから。MBAなど、英語「を」学びに行くのではなく、英語「で」学びに行く場合、900点でも足りませんが、そのくらいあれば、行けば何とかなります。

 


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